「男の酒のうれしさは たちまち通う 意気と熱
人生山河 険しくも 君 盃をあげたまえ
いざ 我が友よ まず一献
秋 月影に飲むもよし 花散る春に 酔うもよし
哀れを知るは 英雄ぞ 君 盃をあげたまえ
いざ 我が友よ まず一献
美人の酌に酔えばとて 今宵は今宵 何か言う
男は明日に生きるもの 君 盃をあげたまえ
いざ 我が友よ まず一献
いざ 我が友よ まず一献」
少し酒が入り、ほろ酔い機嫌になると自然と口ずさむ学生時代に覚えた「まず一献」という愛唱歌である。
昨夜は、この歌を、一番一緒に唄いたい友と、一番大っきな声で、一番気持ちよく唄えた。
第8回神奈川大学詩吟研究部OB会が浜松舘山寺のホテルで開かれ、遠くは北海道や四国からも駆け付けてくれて久し振りの再会を楽しんだ。
今回、卒業以来初めて再会する先輩もいて、40年前にあっという間にタイムスリップしてしまった。
スクラム組んで唄う寮歌や愛唱歌で、胸を熱くできる友の輪は、何物にも代え難い人生の宝である。
あれから40年、それぞれの人生を歩んできた旧友が今、又こうしてスクラムを組んで高歌放吟できる喜び。
あの当時、40年後の自分がどんな生き方をしているだろうなんて全く予想だにできなかった。
夫となり、父となり、そしてかわいい孫たちの爺ちゃんになり・・・
今、平凡だが穏やかな心境で、日々感謝して生きられる自分があるのも、神大吟研の先輩との出会いが、すべての始まりだったことを思うと、えにしの深さをしみじみと感じる夜であった。
これからも、詩を愛し、吟に親しむ心豊かな人達の輪をたいせつにして、又の再会を楽しみに生きよう。
老いてまえ いぶしの吟と酒がしむ
舘山寺の夜 青春(はる)ふたたびと
かつみ